教員を20年やっていると、
本当に真面目な先生にたくさん出会います。
そして、真面目な先生ほど、
あることが苦手だったりします。
休むことです。
以前、ある先生からこんな相談を受けました。
「冬休み中の研修の日に、年休を取りたいんですけど、休んでも大丈夫ですかね」
その日の研修テーマを聞いて、
私は思わず笑ってしまいました。
アンガーマネジメント研修だったんです。
今日は、そんな話をします。
真面目な先生の悩み
その先生は、とにかく真面目な人でした。
どんな仕事にも手を抜きません。
仕事のスピードがものすごく速いタイプではありませんでしたが、
頼まれた仕事には誠実に向き合って、
コツコツ進めます。
だから、先生たちからも生徒たちからも信頼されていました。
私から見ても、本当にいい先生でした。
ただ、その真面目さゆえに、
休むことについてもいろいろ考えてしまう人でした。
冬休みのような長期休業中は授業がありません。
そのかわり、学校で研修が行われることがあります。
その先生は、研修の日にどうしても外せない私用があり、
年休を取りたいと考えていたようです。
必要な手続きをして年休を取る。
それ自体は、特別なことではありません。
でも、その先生は気になってしまうんです。
「研修なのに休んで大丈夫かな」
「あとで何か言われないかな」
「みんな参加するのに、自分だけ休んでいいのかな」
真面目な先生ほど、こういうことを考えます。
周りからどう見られるか。
誰かに迷惑をかけないか。
自分だけ休んでいいのか。
そこまで考えてしまうんですよね。
アンガーマネジメント研修の翌日
そこで、私はその先生に言いました。
「先生、その研修、アンガーマネジメントですよね」
アンガーマネジメントというのは、
自分の怒りとうまく付き合うための方法です。
もし先生が年休を取ったことで、
研修に参加した先生が翌日になって、
「なんで昨日いなかったんですか」
「研修だったのに」
とイライラしながら言ってきたら、どうでしょう。
そのときは、
「すみません」
と普通に受け止めておけばいいと思います。
そのうえで心の中では、
「なるほど」
と思っておけばいいんです。
せっかくアンガーマネジメントを学んだ翌日に、
同僚が年休を取ったことでイライラしている。
なかなか味わい深い話です。
もし後悔するとしたら
逆に、年休を取ったことを後悔するケースも考えてみました。
翌日学校に行ったら、
研修に参加した先生たち全員が穏やかな笑顔で迎えてくれます。
「あら先生、昨日来られなかったんですね」
「いい研修でしたよ」
「資料がありますから、よかったら見てくださいね」
誰一人として嫌味を言いません。
誰一人としてイライラしていません。
みんな穏やかです。
そこまでアンガーマネジメント研修の効果が出ていたら、
「これは出ておけばよかったな」
と思ってもいいかもしれません。
真面目さと自己犠牲は別のものです
もちろん、ここまでの話は半分冗談です。
でも、この話には大事な問題が隠れていると思っています。
学校には、真面目な先生が本当に多いです。
真面目な人ほど、こう考えます。
「自分だけ休んではいけない」
「周りに迷惑をかけてはいけない」
「みんなが参加するなら、自分も参加しないといけない」
誰かに強制されたわけでもないのに、
自分の中で勝手にハードルを上げてしまうんです。
その結果、
休む必要があるときにも、
休むことそのものに罪悪感を持ってしまいます。
でも、真面目であることと、
自分を犠牲にすることは別です。
必要な日に、必要な手続きをして休む。
休んだあとはまた仕事に戻る。
それでいいと思うんです。
「自分」をリストに入れていますか
教師は、いつも誰かのことを考えています。
生徒のことを考えます。
保護者のことを考えます。
同僚のことを考えます。
学校全体のことまで考えます。
それは、教師という仕事のすばらしいところでもあります。
ただ、その中に「自分」が入っていないことがあります。
自分は疲れていないか。
自分には休みが必要ではないか。
自分の生活は守れているか。
真面目な先生ほど、そこを後回しにしてしまいます。
だからこそ、ときどき自分の都合を優先してもいいと思うんです。
休むときは休む。
戻ってきたら、また仕事をする。
それくらいでちょうどいいんです。
あの先生は、本当に誠実な先生でした。
生徒からも、同僚からも信頼されていました。
私は、そういう先生だからこそ、
無理をしすぎてほしくないと思いました。
真面目な人が、真面目さゆえに少しずつ疲れ果てていく。
学校では、そういうことが起こります。
「休んでいいのかな」
そう思ったときに、
周りの目ばかり気にするのではなく、
「今の自分には休みが必要か」
と自分に聞いてみてください。
もしあなたも、
年休を取るときに周りの目が気になった経験があれば、
ぜひ返信で教えてください。
本人が思っている以上に、
「休むことに悩んでいる人」は多いのかもしれません。
私は、「休むことも仕事のうち」だと考えるようにしてから、
少しずつ楽になりました。
もしよかったら試してみてください。
それではまた。





